NATO事務総長、ウクライナを訪問 ロシアによる侵攻後初めて | April 20, 2023, 10:54 p.m.

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は20日、ウクライナの首都キーウを訪問した。昨年2月にロシアによる全面侵攻が始まって以降、ストルテンベルグ氏のウクライナ訪問は初めて。ゼレンスキー大統領との会談後の会見で「ウクライナの未来がNATOにあることで加盟国は一致している」と述べた。 ゼレンスキー氏は、7月にリトアニアのビリニュスで開かれるNATO首脳会議に招待を受けたことを明らかにした。 ウクライナでは東部ドネツク、ルハンスク両州でロシア軍が攻勢を強める。同軍の全面撤退を停戦の条件とするウクライナは膠着(こうちゃく)した戦況の打開を目指し、新たな大規模な領土奪還作戦に着手する見通しだ。 21日にはドイツで50カ国以上が参加するウクライナ支援会議が開かれる。ストルテンベルグ氏は、領土奪還作戦に向け「ウクライナが必要とする兵器の確実な入手が急務だ」と述べ、新たな軍事支援に期待した。 さらに、「この戦争がいつ終わるか分からないが、ロシアの侵略は止めなくてはならない」と指摘。複数年での支援を見据え、旧ソ連製の装備のNATO基準への移行や、弾薬や武器の生産強化をめざすと強調した。 ウクライナ滞在中、同氏は多数の民間人が殺害されたキーウ近郊のブチャなどを訪れて献花したという。 一方、デンマークとオランダ両政府は20日、ウクライナにドイツ製の主力戦車「レオパルト2」を14台提供することを明らかにした。両国とドイツは2月、旧式の「レオパルト1」戦車を100台集め、今年から来年にかけてウクライナに供給することを表明している。ロイター通信によると、レオパルト2は2024年の第1四半期に引き渡されるという。(喜田尚、ブリュッセル=玉川透)